コンシェルジュからのギフト~人生を豊かにする、お金と暮らしのヒント~ 第4回 「迷うことは、いけないことなのでしょうか?」
ライフプラン・コンシェルジュからの一言
いつもご覧いただきありがとうございます。
<人生設計専門FP>として【ライフプラン・コンシェルジュ】を名乗る自分が、
「人生を設計する上で、皆さんに知っておいてほしいと思う知識や考え方」
を、自分の解釈でお伝えしている「コンシェルジュからのギフト」シリーズ。
前回は、「比べること」をテーマに、本当に比べるべき相手は他人ではなく、「昨日までの自分」であるというお話をしました。
人と比べることを少し手放せるようになると、自分が本当に大切にしたいものや、自分らしい人生が少しずつ見えてきます。
ですが、それでも人生には“迷う”瞬間があります。
「この選択で、本当にいいのかな?」
「失敗したらどうしよう…」
そんな気持ちになることは、自分ももちろんですが、皆さんにもあると思います。
そして、「迷う」ことに、一種の「後ろめたさ」を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、「迷う」ことは、本当にいけないことなのでしょうか?
今回は、誰もが経験する「迷い」について、一緒に考えてみたいと思います。
この小さな贈り物が、あなたらしい未来を選ぶためのきっかけになれば幸いです。
第1章 迷うのは、それだけ真剣だからです。
「迷わず決められる人はすごい!」
そんなふうに思ったことはありませんか?
確かに、目の前にあるいくつもの「選択肢」に対し、迷いを感じさせずに選ぶ方を見ると、
「スマートだなぁ~」
「カッコいい!」
と感じることもあるでしょうし、自分も同様に思うことはあります。
ですが自分は、「迷わない」=「正しい」とは必ずしも言えないと思っています。
人生において本当に大切なことほど、簡単には決められないでしょうし、決めるべきではないと考えています。
進学。
就職。
結婚。
住宅購入。
転職。
老後。
いわゆる「人生の岐路」とも言える大きな「決断」をする場面は、一度決めたらその後の人生に大きな影響を与えるものばかりです。
さらに、一度「決断」してしまうと、簡単には元へ戻せない選択もあります。
なぜなら、「時間」は戻せないからです。
そして、それらについて誰もが理解しています。
だから「迷う」のですし、簡単に決めるべきではないと考えています。
もし何も迷わず決めているのだとしたら、確信があるのかもしれませんが、もしかしたら「その選択を深く考えていない可能性」もあり得ます。
「迷う」ことは、「弱さ」ではありません。
それだけ、ご自身の人生と真剣に向き合っているという「証」ではないでしょうか。
第2章 迷う時間にも、大きな意味があります。
相談を受けていると、
「早く決めなければ…」
という言葉をよく耳にします。
もちろん、期限があることもあります。
ですが、「焦って決めること」と、「納得して決めること」は違います。
迷っている時間は、
自分は何を大切にしたいのか?
何を守りたいのか?
何を優先したいのか?
そんな価値観を確認する時間だと言えないでしょうか。
以前、このシリーズでお伝えした「価値観」という物差しも、こうした迷いの中で少しずつ磨かれていくものです。
だから迷う時間を、決して無駄だと思う必要はありません。
自身が思う理想の人生設計を整えるためには、必要な時間なのです。
第3章 お金の相談でも、「迷い」はたくさんあります。
「住宅ローンは固定金利と変動金利、どちらがいいですか?」
「保険は入った方がいいですか?」
「資産運用は始めるべきですか?」
ご相談をお受けしていると、こうした迷いが原因の質問で始まることも少なくありません。
そうした迷いが生まれる背景には、「自分にとって何を大切にしたいのか」がまだ整理できていないことも少なくありません。
ですが自分の場合、「答え」をお伝えすることはありません。
なぜなら、その答えは一人ひとり違いますし、そもそも「答え」はその方の中にあると考えているからです。
ですが、その「答え」になかなか気づけない、あるいは「ハッキリと形に出来ない」からこそ、ご相談にいらっしゃるのだと思います。
「こっちに進むべきか、あっちに進むべきか…」
「こっちにするとこうなるけど、あっちだとああなるしなぁ~…」
というように、どの選択肢にもそれなりのメリットや利益を見込めるからこそ、人は悩み、迷うのだと思います。
であるなら、迷いをなくすことより、
「あなたにとって、何が大事で、何を基準に選ぶのか?」
その物差しを一緒に整理すれば、自然と迷いは晴れると信じています。
だから自分は、答えではなく、「価値観に基づいた納得できる選び方」を一緒に考えたいと思っています。
第4章 迷った先にあるもの
迷い続けることは、当たり前ですが「目的」ではありません。
大切なのは、迷ったとしても、
「これでいこう。」
と、自分で決められることです。
自分で考え、納得して選んだ道なら、途中が苦しかったとしても、その経験を先の人生へつなげるきっかけとすることが出来るでしょう。
ですが、迷った上で選んだ先が正解かどうかなんて、「人生の答え合わせ」の時にならなければ分かりません。
だからこそ、「納得して選んだか」が大切になるのだと思います。
ですので、迷った先にあるのは、人生を止める“原因”ではなく、人生を深める“きっかけ”だと言えるでしょう。
第5章 みなさんへの質問
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
最後に、一つだけ
「あなたが今、一番迷っていることは何ですか?」
と聞かれたら、今のあなたならどう答えるかを考えてみてください。
もしくは、
その迷いは、何を失いたくないと考えているからなのでしょうか?
何を大切にしていきたいと考えているからなのでしょうか?
とも言い換えられるかと思います。
この問いかけに答えられ、その理由が見えてきたなら、その迷いは少しだけ意味のあるものへ変わっているかもしれません。
第6章 まとめ
今回お伝えしたかったことも、とてもシンプルです。
迷うことは、決していけないことでも、後ろめたいものでもありません。
それは、自分の人生を真剣に考えている証なのです。
そして、迷う時間は、自分の内なるものを見つめ、価値観を整理し、納得できる選択をするために欠かせない時間だとも言えます。
だから、自分は「迷わない人生」よりも、
迷いながらも、自分で納得して選べる人生
の方が豊かだと思います。
答えを急ぐのではなく、迷ってでも自分らしい答えを見つけること。
それこそが、人生設計の大切な一歩なのです。
結びの言葉
人生には、選ばなければならない瞬間があります。
その選択が正しかったかどうかは、その時には誰にも分かりません。
でも、一つだけ言えることがあります。
納得して選んだ道は、きっとあなた自身の人生になります。
このシリーズが、その「納得して選ぶ」ための小さな灯りになれたなら、ライフプラン・コンシェルジュとして、これ以上嬉しいことはありません。
次回予告
「失敗しない人生」より、「後悔しない人生」を。
~成功よりも大切な、「納得」という考え方~
いかがでしたでしょうか。
今回は、「迷うこと」をテーマに、一緒に考えてきました。
迷うからこそ、自分の価値観を見つめ直し、納得できる選択へ近づいていける。
では、その選択の先で、残念ながら「失敗」だったと感じたときはどうでしょうか?
私たちは、「失敗は、してはいけないもの」と考えがちですし、そう教え込まれているかと思います。
ですが、本当に目指すべきなのは、「失敗しない人生」なのでしょうか?
次回は、「失敗」と「後悔」の違いをテーマに、一緒に考えてみたいと思います。
今回も長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。
次回以降も、どうぞお楽しみに。
次回
「失敗しない人生」より、「後悔しない人生」を。
~成功よりも大切な、「納得」という考え方~