コンシェルジュからのギフト~人生を豊かにする、お金と暮らしのヒント~ 第1回 「お金の知識より先に、知っておいてほしい大切なこと。」
ライフプラン・コンシェルジュからの一言
いつもご覧いただきありがとうございます。
「もっとお金の知識があれば、将来への不安はなくなるのに……。」
そう感じたことはありませんか。
自分はそう感じたことがFPとして歩むきっかけの1つとなりました。
それを少しでも解消できるようにと、以前はnoteで「知っておいてほしい「お金の知識」」というシリーズを展開していました。
しかし、「知っておいてほしい」と言いながら、noteを利用している方とか、たまたま検索で見つけた人でなければ読めないなら、知ることもできません。
それなら、「もっと知ってもらいやすいところで語ろう!」と考えた末、このHPブログでお贈りしようと思い、それを機に「コンシェルジュからのギフト~人生を豊かにする、お金と暮らしのヒント~」と改名して、内容も再編成して、こちらで語っていくことにしました。
そんな新シリーズとしてリニューアル後の第1回のテーマとして、知っておいてほしい知識を知る前の「もっと基本の大切なこと」について述べようと思います。
お金の知識は人生を豊かにする大切な力の一つです。
ですが、知識を得ても、それを自分なりに理解する「基礎」がなければ、十分に活かせなかったり間違った解釈で活用してしまい、思うような結果を得られないでしょう。
それでは何の意味もありません。
自分もFPとして多くの方と向き合う中で、残念ながら知識の理解が足りていないせいで解決できない悩みや迷いをお持ちだった方々を、何度も目の当たりにしてきました。
本当に大切なのは、知識を増やすことだけではなく、その知識をもとに「自分で納得して選べること」。
そう考えている自分としては、まずは自分なりに必要だと思っている「基礎の基礎」を、今回は知っていただきたいと思います。
このように、これから新しく始まる「コンシェルジュからのギフト」では、お金の制度や仕組みだけではなく、その先にある「人生」や「暮らし」についても、一緒に考えていきたいと思っています。
この小さな贈り物が、あなたらしい未来を選ぶためのきっかけになれば幸いです。
*正直、少々長くなっていますので、それを承知の上で読み進めていただければと思います。
第1章 「お金のことが分からない・・・」
「お金のことって、難しいですよね。」
ご相談の中で、本当によく耳にする言葉です。
「何から勉強すればいいのか分からない。」
「調べれば調べるほど、何が正しいのか分からなくなる。」
「みんなが『これがお得』と言っているけれど、自分にも当てはまるのか分からない。」
そんな声は、決して珍しいものではありません。
今は、テレビや新聞だけでなく、インターネットやSNS、動画などを通じて、お金に関する情報を簡単に手に入れられる時代です。
NISAやiDeCo、資産運用、保険、住宅ローン、年金、税金……。
少し調べるだけでも、たくさんの情報が目に飛び込んできます。
その一方で、
「あの人はこう言っているけど、こっちの人はまったく違うことを言っている・・・」
そんな経験をされた方も多いのではないでしょうか。
情報が増えたことで、「知らないこと」は減りました。
その代わり、「選べないこと」が増えたように思います。
だから、「お金のことが分からない」という言葉の奥には、
「何を信じればいいのか分からない。」
「自分には何が合っているのか分からない。」
「この選択で本当に大丈夫なのか分からない。」
そんな「迷い」が隠れているのかもしれません。
では、「選ぶ」上で本当に“足りないもの”は何で、「迷い」をなくすための「本当に大切なもの」とは何なのでしょうか。
第2章 “足りない”のは、本当に知識なのでしょうか?
「もっとお金の知識があれば、ちゃんと選べるのに。」
そう思われる方もいらっしゃるでしょう。
もちろん、知識は大切です。
知らなければ、その存在に気付くことさえできない制度や選択肢があります。
知っている選択肢が1つしかなければ、その中から選ぶしかありません。
でも、3つ、4つと知っていれば、
「自分には、どれが合っているだろう?」
と考えることができます。
だから自分は、より良い選択をするためには、その選択に必要な知識が欠かせないと考えています。
では、知識がたくさんあれば、自信を持って選べるのでしょうか。
必ずしも、そうではないと思います。
実際、ご相談の中でも、
「いろいろ調べたんですけど、結局どれがいいのか分からなくて……。」
という言葉を耳にします。
何も知らないわけではありません。
むしろ、ご自身で調べ、たくさんの情報を集め、真剣に考えているからこそ迷ってしまうことがあります。
なぜでしょう。
それは、知識が「選択肢」を教えてくれても、
「あなたにとって、何が一番大切なのか」
までは教えてくれないからです。
同じ年齢。
同じくらいの収入。
同じような家族構成。
数字だけを見ればよく似た二人でも、選ぶ答えが同じになるとは限りません。
むしろ、そういう方同士であっても、同じ選択になる場合はまずありません。
今の暮らしを大切にしたい人。
多少のリスクを取ってでも、将来の可能性を広げたい人。
家族との時間を何より大切にしたい人。
安心して暮らせることを一番に考える人。
何を大切にするかによって、その人にとっての「より良い選択」は変わります。
つまり、お金について考えるときに必要なのは、知識を増やすことだけではありません。
その知識を、
「自分は、何のために使うのか。」
と考えることも必要なのです。
第3章 人生は、「正解が一つ」ではない選択の連続です。
私たちは毎日の暮らしの中で、たくさんの「選択」をしています。
今日の夕食は何にしよう。
休日をどう過ごそう。
何を買おう。
そんな日常の小さな選択もあれば、人生には、その後を大きく左右するような選択もあります。
どんな仕事をするのか。
家を買うのか、借りるのか。
結婚するのか。
子どもを持つのか。
転職するのか、今の仕事を続けるのか。
親の介護とどう向き合うのか。
老後をどこで、誰と、どのように暮らすのか。
こうした問いに、誰にでも当てはまる一つの「正解」はあるのでしょうか。
自分は、ないと思っています。
例えば、「家を買うか、借りるか」。
お金だけを比較すれば、ある程度の損得を計算することはできます。
けれど、一つの場所に腰を据えて暮らしたい人もいれば、仕事や暮らしの変化に合わせて住む場所を変えたい人もいます。
家族に残せるものを持ちたい人もいれば、住宅にお金をかけるより、旅行や趣味などの経験に使いたい人もいるでしょう。
どちらが正しい、という話ではありません。
その人が何を大切にしているかによって、選ぶ答えは変わるからです。
だから、お金について考えるときほど、
「どちらが得ですか?」
という問いの前に、
「自分は、どうしたいのだろう?」
と考えてみることが大切なのです。
もちろん、損得を考えることも必要です。
しかし、「得だから」という理由だけで選んだものが、自分にとって一番良い選択になるとは限りません。
反対に、金銭的な効率だけを見れば一番ではなくても、
「自分はこれを大切にしたい。」
と納得して選んだものなら、その人にとって十分に意味のある選択になることもあります。
なぜか?
人生は、数字だけでは測れないからです。
そして、正解が一つではないからこそ、「選ぶことが“怖い”」のです。
「あのとき、違う道を選んでいたらどうなっていただろう。」
そんなことを考えた経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
自分もあります。
ですが、選ばなかった人生を見ることは、残念ながらできません。
だから、自分が選んだ道が本当に正しかったのかを完全に確かめることもできません。
それでも私たちは、その時々で何かを選びながら生きています。
だからこそ、
「正しい選択をすること」よりも、「自分が納得できる選択をすること」。
自分は、それを大切にしてほしいと思っています。
第4章 知識は、正解を教えてくれるものではありません。
では、その選択の中で「知識」は、どんな役割を持つのでしょうか。
自分は、「知識とは『正解を教えてくれるもの』ではない」と思っています。
では、何なのか?
例えば、資産形成について学べば、
「預貯金だけではなく、投資という方法もある。」
と知ることができます。
住宅について学べば、「買う」「借りる」だけではなく、
「今は決めず、もう少し先で考える」
という選択肢も見えてくるかもしれません。
保険について知れば、「とりあえず加入しておけば安心」ではなく、
「自分には、どんな保障が必要なのだろう?」
と考えることができます。
つまり、知識が増えることで、
それまで見えていなかった選択肢が見えるようになる。
ここに、知識の大きな価値があると思っています。
ただし、
選択肢が増えることと、正解が分かることは同じではありません。
例えば、ある制度について、
「税金の面ではこちらの方が有利です。」
ということは、制度や数字から説明できるかもしれません。
でも、
「だから、あなたはこれを選ぶべきです。」
とまでは言えません。
その人が何を目指しているのか。
今の暮らしにどれくらい余裕があるのか。
これから何にお金を使いたいのか。
どれくらいのリスクなら受け入れられるのか。
そして、何を大切に生きていきたいのか。
それによって、選ぶものは変わります。
だから自分は、ファイナンシャル・プランナーの役割も、「正解を教えること」ではないと考えています。
制度や仕組みを正しく説明する。
メリットだけでなく、デメリットやリスクも伝える。
まだ見えていない選択肢があれば、一緒に探す。
それぞれを比較できるよう整理する。
そのうえで、
「あなたは、どうしたいですか?」
と一緒に考える。
そして、最後の「答え」は、専門家が決めてはなりません。
なぜなら、その人の人生を歩むのは、その人自身だからです。
そして、ここに自分が「知識を届けたい」と考える理由があります。
「知らなかった」
ただそれだけの理由で、
本当なら選べたはずの道が、最初から存在しなかったことになってしまう。
自分は、それがとても残念なことだと考えています。
だから、
選択肢をお伝えするのなら、その選択に必要な知識も一緒に届けたい。
知識は、人生の正解を教えてくれるものではありません。
ですが、
自分自身で答えを選ぶための力には、きっとなってくれます。
第5章 だから、このシリーズを書こうと思いました。
この「コンシェルジュからのギフト」では、これからさまざまなお金と暮らしの知識をお届けしていくつもりです。
家計。
保険。
住宅。
教育資金。
資産形成。
年金や老後。
そして、暮らしの中で知っておいていただきたい制度や仕組み。
どれも、人生の選択に関わる大切な知識です。
でも、それらを「知っておくべき”正解”」としてお届けするつもりはありません。
このシリーズを始めようと思ったきっかけは、とてもシンプルです。
より良い選択をするためには、その人に必要な知識がなければ、選ぶことさえできない。
それなら、選択肢をお伝えするだけではなく、
その選択に必要な知識も、一緒にお届けしよう。
そう考えたことが始まりです。
そして、このシリーズを続けるうえで、いくつか大切にしたいことがあります。
不安を煽って、何かを選ばせることはしません。
特定の商品やサービスを選んでもらうために、知識を使うこともしません。
誰かの考え方を否定することで、自分の考えを正しく見せようともしません。
そして、
「これが正解です。」と、皆さまの代わりに答えを決めることもしません。
反対の意見があるなら、その理由にも目を向ける。
メリットをお伝えするなら、デメリットもお伝えする。
制度を紹介するなら、「誰にでも向いている」とは考えない。
できるだけ多くの材料をテーブルの上に並べたうえで、最後はご自身で選んでいただきたいのです。
そして、もう一つ。
自分がこのシリーズで何より大切にしたいことがあります。
それは、
読んでくださる方を、一人にしないこと
です。
お金の話には難しい言葉がたくさん出てきます。
制度が複雑なものも多いです。
だからこそ、
できるだけ分かりやすくお伝えします。
専門用語が必要なら、できるだけ噛み砕いて説明します。
数字が必要なら、その数字が暮らしの中で何を意味するのかまで考えます。
「こんなことも知らないの?」ではなく、
「分からないところから、一緒に考えてみましょう。」
そんな場所にしたいと思っています。
だから、このシリーズを、
「コンシェルジュからのギフト」
と名付けました。
知識を「教える」のではなく、これからの人生を考えるための材料を、一つずつお渡ししていく。
すぐに役立つものもあれば、今は必要のないものもあるでしょう。
でも、いつか人生のどこかで選択をするとき、
「あのとき、こんな話を読んだな。」
と思い出していただけるものが一つでもあればいい。
人に与えられるチャンスの数は、同じではないのかもしれません。
環境も、境遇も、人生で起こる出来事も、一人ひとり違います。
それでも、
目の前に訪れたチャンスを活かすために、知り、考え、選ぶことは、
誰にとっても大切なはずです。
「知らなかった」というだけで、その可能性を失ってほしくありません。
だから、知識を届けたい。
でも、答えを決めたいわけではありません。
その先で、
「自分は、これを選ぶ。」
と自信を持って言えるようになってほしい。
それが、この「コンシェルジュからのギフト」に込めた想いです。
第6章 あなたは、一人で選ばなくていい。
ここまで、「知ること」と「選ぶこと」についてお話ししてきました。
知識があれば、これまで知らなかった選択肢に気付くことができます。
選択肢が増えれば、比べ、考えることができます。
そして、自分が何を大切にしたいのかと向き合うことで、
「自分は、これを選びたい。」
という答えに少しずつ近づいていくことができます。
でも、人生には、それでも迷ってしまうことがあります。
どれだけ調べても、どれだけ考えても、どちらを選べばいいのか分からない。
そんなときが、きっとあります。
そのとき、覚えておいてほしいことがあります。
「自分で選ぶこと」と「一人で選ぶこと」は、同じではありません。
自分の人生を、誰かに決めてもらうべきではありません。
最後に選ぶのは、自分自身であってほしいと考えています。
でも、その答えに辿り着くまでを、一人で抱える必要はありません。
分からないことがあれば、誰かに聞いていい。
迷ったら、誰かに話していい。
自分では整理できなくなったら、一緒に考えてもらっていい。
違う考え方を聞いて、もう一度考え直してもいい。
誰かに答えを決めてもらうためではありません。
自分自身の答えを見つけるために、誰かの力を借りる。
それでいいのだと思います。
どれほど考えて選んでも、その先が思い描いたとおりになるとは限りません。
「あの選択は失敗だったのかな・・・」
そう感じる日が来ることもあるでしょう。
それでも、必要なことを知り、誰かと話し、自分が大切にしたいものと向き合い、最後に自分自身で納得して選んだ道なら、たとえ思いどおりにならなかったとしても、
「あのときの自分は、あのときの自分なりに、精一杯考えて選んだ。」
と、その結果を受け止めることができるかもしれません。
そして、
「ならば、次はどうしよう。」
と、また新しい選択を始めることもできます。
人生は、一度の選択ですべてが決まるものではないからです。
自分はファイナンシャル・プランナーとして、皆さまの代わりに人生を決めることはできません。
そして、決めるべき立場でもありません。
自分にできるのは、
必要な知識をお伝えすること。
まだ見えていない選択肢を一緒に探すこと。
それぞれの良い面も、気を付けるべき面もお伝えすること。
そして、
「あなたは、どうしたいですか?」
と問いかけながら、一緒に考えることです。
答えを渡す人ではなく、
答えを探しているその時間に、隣にいる人。
それが、自分の考える「ライフプラン・コンシェルジュ」です。
だから、もしこれから人生やお金について迷うことがあったとき、一つだけ思い出していただけたら嬉しく思います。
“あなたは、一人で選ばなくていい。”
自分の人生だからこそ、自分で選ぶ。
でも、その選択に辿り着くまでには、誰かが隣にいてもいい。
そうして最後に、
「これが、自分の選んだ道です。」
と胸を張って言える。
この「コンシェルジュからのギフト」が、そのために必要な知識や考えるきっかけを、一つずつお届けできる場所になればと思っています。
そして、いつか人生の大切な選択をするときに、ここで受け取った小さな「ギフト」の一つが、あなた自身の答えを見つける助けになってくれたなら――。
それほど嬉しいことはありません。
第7章 まとめ
ここまで、知識や選択についてお話ししてきました。
そして、この第1回で自分が一番お伝えしたかった「お金の知識より先に知っておいてほしい大切なこと」とは、
人生を豊かにするために「知識」は必要だが、それ以上に大切なのは、
人生の岐路で「自分が納得できる選択」を重ねていくこと
だということです。
知識は、そのためにあります。
制度も、そのためにあります。
ファイナンシャル・プランナーという存在も、あなたの人生の岐路で「お金」という側面から寄り添うためにいます。
どれも、人生の「答え」を決めるためにあるわけではないのです。
あなたが、あなた自身の人生を、あなた自身で納得して選べるようになるためにあります。
だから、このシリーズでは「お金の知識」についてお届けしますが、それは
「納得して選ぶための考え方」
を、一緒に育てていくためであり、読んでくれたあなたが自信を持って、納得して「明日」を選んでいくために語っていきたいと思っています。
そのために、この話題を第1回目のテーマとして選びました。
結びの言葉
人生には、選ばなければならない瞬間があります。
その選択が正しかったかどうかは、その時には誰にも分かりません。
でも、一つだけ言えることがあります。
納得して選んだ道は、きっとあなた自身の人生になります。
このシリーズが、その「納得して選ぶ」ための小さな灯りになれたなら、ライフプラン・コンシェルジュとして、これ以上嬉しいことはありません。
次回予告
「あなたにとって、大切なものは何ですか?」
~ お金を考える前に、自分の「価値観」を知る ~
いかがでしたでしょうか。シリーズの記念すべき第1回目として、皆さんの中に「何か」が残ってくれたなら、とても光栄です。
今回のお話の中で、何度か「自分にとって大切なもの」という言葉を書きました。
では、もし今、
「あなたにとって、大切なものは何ですか?」
と聞かれたら、何と答えますか。
家族。
健康。
仕事。
安心して暮らせること。
好きなことを楽しむ時間。
誰かの役に立つこと。
もちろん、答えは一つでなくて構いません。
そして、その答えに万人共通の正解もありません。
でも実は、私たちがお金について何かを選ぶとき、その奥にはこうした「自分が大切にしているもの」が深く関わっています。
同じ収入でも、お金の使い方が違う。
同じ選択肢を前にしても、選ぶ答えが違う。
それは、その人が大切にしているものが違うからなのかもしれません。
次回の「コンシェルジュからのギフト」では、お金の制度や数字から少し離れて、
「自分は、何を大切にして生きたいのだろう?」
ということを、一緒に考えてみたいと思います。
自分にとっての「より良い選択」を見つけるために、まずは自分自身の中にある「物差し」を探すところから始めてみましょう。
長文にお付き合いいただきありがとうございました。
次回以降も、どうぞお楽しみに。
次回
「あなたにとって、大切なものは何ですか?」~お金を考える前に、自分の「価値観」を知る~