「お金との向き合い方」
いつも閲覧いただき有難うございます。
今回は、そもそもFPとして活動する上での自分が大事にしていることや考え方などについて書いてみたいと思います。
自分がFPとして活動する上で根幹としていることとして
「お客様=相手 の価値観を最大限尊重する」
ということを置いています。
*そこに至るまでの経緯や理念は、HP内の「当事業所において」及び「代表紹介」ページにて記してあります。こちらも是非ご覧ください!
同じことでも良いと思う方、ちょっと合わないと思う方がお金にもあります。お客様に対してアドバイスや知識を提供する者として、「自分が良いと思うもの」を提供していてはただの自己満足、独りよがりに過ぎません。
大事なことは「お客様にとっての”最善”を提供する」「お客様にとっての”満足”を導き出す」ことだと思っています。そのためには、お客様が何を求めているのか?どうなることを望んでいるのか?を的確に汲み取り、それに対して自分が持つ知識と経験で選択肢を導き出し、提供することが重要だと思います。
そのためには、「お客様自身にも、ご自身の価値観と向き合い方を確認してもらう」必要があると、自分は思っています。そうでなければ、何が正解かが分かりませんよね?
ですので、今回は「お金の向き合い方」という視点で書いてみたいと思います。
(なお、内容に関しては以前、自分のno+e(ノート)のページで書いた内容を基に、加筆修正したものになっています。)
「お金」って何?
「生活に必要なもの」・・・たしかにそうですね。
「人生を豊かにするもの」・・・これもまた然り。
「ないと困るもの」・・・そうですよね、困っちゃいます。
他にもいろんな意見があると思いますが、皆さんそれぞれで、その時ごとにお金について考えたり、向き合ったりしていらっしゃるかと思います。
じゃあ、「お金に対する向き合い方は、どうしてますか?」って聞かれて、スッと答えられる人、案外少ないんじゃないかな?って実は思っています。*少なくとも、自分は腕組みして考えてしまいました。
「そもそも向き合うって、どういうこと?」
調べてみました。
むき‐あ・う〔‐あふ〕【向き合う】
[動ワ五(ハ四)]互いに正面を見て対する。むかいあう。「—・って一礼する」
出典:デジタル大辞泉(小学館)
だそうです。
(これに「真摯に~」が付くと、「真面目に」という意味が加わるそうです。昔からよく聴きますよね。)
「向き合う」ことの必要性
「向き合う」必要があるのか?
「互いに正面を見て対する」ことと言われて思いつくのは、スポーツなどでの対戦前の挨拶や、試合が始まる直前の緊迫した瞬間などが思い浮かびますが、そこに臨むまでの準備段階も、ある意味対戦相手と「向き合っている」んじゃないかと思うんです。
これから相手と対戦する。そして勝つ。
そのために必要なこと。
事前の練習や稽古、トレーニングなどで己を高めることはもちろんでしょうが、何よりもまず
「”相手”を知ること。」
そして、
「”自分”を知ること。」
から始めるのが、とても重要なんじゃないかと思うんです。
相手がどういう練習を積んでいて、何が得意なのか?どこが弱点なのか?
それに対して、自分は何ができるのか?
強みは? 弱みは? 戦術は? 技量は?
それぞれをしっかりと捉えることで、明確にする。こういう流れに乗れた側が、勝利を掴むんだと思います。
これを「お金」に置き換えて、考えてみたらどうでしょう?
「お金」って、どういう仕組みなのか?
どうすれば増えるのか?(どうすると減っちゃうのか?)
自分はどれだけ稼げるのか?
稼いだお金を、どう使うべきなのか?(使い方は計画的なのか?)
こう変換できるんじゃないかと思うんですよね。
だから、「知る」ためにもまずは、「向き合う」ことが大事だと思っています。
向き合うことの大切さ、難しさ
分かっている人からすれば、こう思われることでしょうが、これって案外、当たり前じゃなかったりしませんか?
だって、当たり前なら、何で毎年のように総額何千億円とかいうような詐欺の被害や、「これで必ず儲かります!!絶対損はしません!!」といった間違った投資勧誘などで大変な目に遭う方々が無くならないんでしょう?(結果的に損をしない方もいらっしゃるでしょうが、あくまで”結果的に”ですから。)
詐欺を仕掛けた奴や間違った勧誘をした奴が悪いのはもちろんですが、残念ながら「お金について知っておけば・・・」「自分のことを分かっていれば・・・」なんて言えてしまう部分もあるんですよね。(悲しいけどこれ、現実なんです・・・)
何度も言いますが、そもそも仕掛けた方が完全に悪いです!仕掛けた側を擁護するつもりは、これっぽちもありません!!そこは強調しておきますが、でももし、
「それっておかしくね?」
「この程度じゃ、そんなに価値を感じないな・・・」
なんて思えていたら(あるいは、誰かに言えたもしくは言ってもらえたなら)、完全には防げなかったとしても、被害を最小限に食い止めることが出来たかもしれないですよね。
こういった迷惑行為を、報道や様々な啓発活動によって知ることができるのは、とても大事なことだと思います。
ですが、こういうのって残念ながら”事後”なんですよね。
”こういうことが起きて”
”誰々が「被害に遭った」ので”
”今後は気を付けていきましょう!”
っていう趣旨ということは、裏を返せばそこに悲しい思いをされた方が少なからずいらっしゃる現実があるってことですよね。
だけど、あらかじめ向き合っていたおかげで、お金のことをある程度知ることができ、自分を知っていれば、もしかしたら未然に防げるかもしれない。それを自分の身近な人たちに教えてあげることで、その輪が広がり、悲しい思いをする人がいなくなるかもしれない。
そう考えたら・・・
向き合っておきたくないですか?
だけど、これが実際はなかなか難しくて、それには次のような点があるからじゃないかと考えています。
1.同じような状況で解決できた知識を用いても、それぞれの考え方や価値観などの内部要因や、時間や環境、社会情勢や時代の流れなどの外部要因により、誰もが等しく望んだような結果になるとは限らない。(=違った意味を持ったり、通用しなくなる場合がある。)
2.現代は様々な部分で気軽でオープンなため、情報の発信源が無数にあり、その正確さや信頼性の取捨選択が難しくなっている。(SNSや動画サイトなど) など
例えば、今では預金をしても利率がとても低いため、預けているだけではほとんど増えない(=利息がほとんどつかない)ですが、いわゆる団塊の世代の方々が社会に出始めたころは、10年以上預けておけば倍になるみたいな時代でした。(若い世代の方々なんかだと、信じられないでしょう?!)
それに、昔はお金に関する情報といえば、専門の記者さんが記事にした新聞、雑誌などの紙媒体ぐらいしかありませんでしたが、今ではインターネットを通じて膨大な量が超多角的にすさまじいスピードで発信、拡散されています。
最近では「新NISA、始まる」とか「円安、さらに加速」とか。ちょっと前では「資産所得倍増計画」とか「日経平均株価バブル以降最高値記録」とかですかね。もっと前だと「老後資金2,000万円必要!?」とかでしょうか。あの時のネットやメディアの沸き具合はすごかったですよね?!
これらの話題を様々な形と切り口で発信されているため、受け取る側の捉え方でいろんな意味をもってしまう場合があることも想像できます。
これらは、皆さんに関係あるなしにかかわらず、発信時のインパクトで大体の方は聞いたことはあるかと思いますが、じゃあこれらをしっかり理解されている方って、どれだけいらっしゃるんでしょう?
理解までいかなくても、「関心を持つ=向き合っている」方って括りでは、どうでしょう?
正直、少ないんじゃないでしょうか。(自分も含めてですが・・・日々、精進っ!!)
当然、自分に直接関係ないと思われることには、関心が向かないでしょうから難しいとは思いますが、関係ありそうなことでも、振り返ってみるとどうですか?
本質を突くと、各々でけっこう細かったりするので、なかなか理解とまではいかないかもしれないですが、少なくとも「関心を持って」アンテナを向けていただきたいなと思っています。
実は「すごくて」「怖い」やつ?!
「理解出来なくたって、お金使って生活できるじゃん!」
・・・確かにそうですね。
実はそこが、お金の「すごいところ」であり、「怖いところ」でもあるんじゃないかと思っています。
考えてみてください。
「知ってれば、あんなことしなくてもよかったのになぁ~」とか「なんで、誰も教えてくれなかったんだよ~!!」って経験、ありませんか?少なくとも、自分はあります。(それが、FPになった動機のひとつでもあります。)
ってことは、普段はお金について特に知らなかったり、考えたりしなくてもお金って使えちゃってるってことですよね?
これって、けっこう「すごいこと」だと思いません?
そういうものって探すと、実は意外とあるんですけど、例えば、車が動く仕組みを知らなくても、車を運転して、目的地まで行くことができたり、スマホで電話ができる仕組みを知らなくても、番号をプッシュすれば相手と話せることなどがそうですよね。
お金の「すごいところ」は、その使い方が膨大にあるということなんじゃないかと思います。
車やスマホでは「運転して目的地に行く」とか「電話をかけたり、ネットが使える」という使い方ができますが、お金に関しては
・モノやサービスを手に入れられる。
・目に見えないもの(労働力や資産価値など)を目に見える形にできる。
・使い道が膨大なため、自分とは違う使い方で相手が使える。
(=モノを渡すと、そのモノの使い方しかできないが、お金を渡せば、相手の好きなように使うことができる。) などなど・・・
主だったものとするとこんな感じでしょうか?(他にもいろいろあるとは思いますが。)他にこんな風に使えるものって、多分ありませんよね?
でもこれって、別の角度から見ると、
「お金として手に入れられれば、どんな風にでも使えてしまう。」
ともいえると思うんです。
つまり、「使う人次第」なわけですから、いやな言い方すれば”悪用”することもできると言えてしまいませんか?
表向きは安全に見えても、本質は・・・というなら、それを”見抜く”ためのものが必要ですよね。
それが「お金の知識」であり、「お金の向き合い方」がカギになるんじゃないかと思います。
お金を正しく「知り」正しく「恐れる」。そうすることでお金を正しく「使う」ことが出来る。そういう観点からも「相手=お金を知り、自分を知る」ってことは重要なんじゃないかと思います。
お金に対する「自分」
「自分」とは?
ちょっと哲学っぽくなりそうですが、お金的な「自分」として大切なのは
・自らが築いてきた「価値観」
・自らが負える「リスク」
なんじゃないかと思っています。
「自分にとって何が大事なことで、譲れないことは何なのか?」
これがはっきりしてないと、同じ結果だったとしても、そこに込められた意味や納得感がまったく違ったものになってしまいますよね。
「○○と△△では、同じぐらいの金額で同じぐらいの結果が望めるけど、○○の方が好きな色なんだよなぁ~」と思ったら、○○を買いますよね。
「アイツに頼んだら、△△買ってきちゃった・・・どっちでも良いよっていった自分が悪いんだけど・・・」なんて経験、ありませんか?
同じ金額、同じ結果なのに、価値観に合わないものだとガッカリしちゃいますよね。
また、「リスク」ですが、ここでの「リスク」はよくイメージされるような「失敗確率」みたいなものではなく、「損失の許容範囲」みたいな感じに考えてください。
「自分は、どれぐらいの値下がり(価値の低減)までなら、許せるか?」
ということです。
同じ10万円の損でも、年収200万の方と1億の方では、捉え方は違いますよね。前者の方では、年収に対する損失割合が大きいので、このリスクはとるべきではないですね。ただ、後者の方ならまだ大丈夫じゃないかと判断できますよね。さらに、同じ年収200万の方でも、預金がある、ないによってその捉え方は変わってきますよね。
大事なことは、
「自分がどれぐらいのリスクなら許容できるのか?」
ということを、しっかり向き合って理解しておくことなんだと思います。
これらを踏まえて、「自分」をしっかり捉えてほしいと思います。
まとめ
ここまで、「お金の向き合い方」を自分なりに語ってみましたが、・・・かなり長くなってしまいました。申し訳ありません。
もちろん、ここで書いたことが全てだとは思っていません。ここで書いたことがどなたにとっても正しいものなのだとも思っていません。ですが、ご自身なりの「向き合い方」に気付くということがそれだけ重要なことなんだと職業柄、力を入れてお伝えしたかったんだと捉えていただければ幸いです。
大事なことは、
1.まずは「向き合う」
2.お金について「知る」
3.自分についても「知る=見つめる」
これらを押さえていただき、お金の本質を知り、お金と自分に常に興味を持っていただき、その上でご自身の価値観に気付き、それを大切にしていただくことが豊かな未来を築いていただけるきっかけになるのではないかと思います。
その中で、ご自身でははっきりできない事、どうしても分からないことなど何かお金で考える機会がありましたら、是非「FP=ファイナンシャル・プランナー」を活用してください!!喜んでお手伝いします!けっこう身近にいますよ!
最後までお読みいただき、有難うございました。